クリスマスのモチーフ

クリスマスのオーナメントやモチーフには、可愛いだけではなく実はそれぞれに由来や意味がこめられています。 色々な説がありますが、ここでは、主なモチーフについてご紹介いたします。 クリスマスに家族や友人に教えてあげてくださいね。

サンタクロースサンタ

クリスマスの主役となる人気者。真っ白なひげに真っ赤な服、大きなお腹がトレードマーク。 もともと黒や茶色の服を着ていたが、赤い服を着ているということが世界的に広まったのは、 アメリカのコカ・コーラ社の広告がきっかけ。

サンタクロースのモデルは、4世紀ごろに貧しい人々に金貨などを分け与えていた、 キリスト教の教父といわれる人物、聖ニコラウス。 セントニコラウスのオランダ語読み「ジンタクロース」がその名前の由来。 彼が夜中に貧しい家の煙突に金貨を投げ入れたところ、暖炉のそばにぶら下がっていた靴下の中に入り、 翌朝、村人は大喜びしたというエピソードが、 サンタクロースが煙突から入って靴下にプレゼントを入れるという話の由来。

北欧では帽子には、長靴を履きソリに乗った「贈り物をしてくれる妖精」がいたと言われ、 この妖精と聖ニコラウスのイメージが混ざり合って今日のサンタクロースが誕生したと言われている。

毎年12月24日には、北アメリカ防衛空軍基地がサンタさんを追跡しているという噂も。 サンタクロースが北極を出発すると、同時にレーダーを使い発見したら戦闘機で追跡するつもり…らしいのですが、 いまだに見つかったことはない。

サンタクロースの空飛ぶソリを引くトナカイは、もともと8頭。 ダッシャー・ダンサー・プランサー・ヴィクセン・ダンダー・ブリクセム・キューピッド・コメットという名前。 有名な赤鼻のトナカイ「ルドルフ」が、その8頭の先頭に加わり合計9頭になった。

クリスマスツリー、ロウソクツリー キャンドル

クリスマスツリーの由来は国やエピソードによりいくつかの説がある。
8世紀のドイツではドルイド教団員(キリスト教に改宗する以前の古代ケルト族の僧・妖術師・詩人・裁判官など) と呼ばれる人たちがおり、彼らはオーク(木)を崇拝していて幼児犠牲を捧げてたといわれています。 伝承された話によると、イングランドからの伝道者であるボニファティウスがそれを止めようとして オークを切り倒したときに、一本のモミの若木に関わる奇跡が起こったため、 それを記念するためにドイツではモミの木をクリスマスに植えるようになったといわれている。

また、16世紀のドイツでは、神学者であったマルチン・ルターが クリスマスイブ礼拝の帰り道に森の中で常緑樹の枝の合間に美しく輝く無数の星を見てその美しさに打たれ、 それを子供たちのために再現してあげたいと思い、家の中に木を持ち込んで火を灯したキャンドルを枝にくくりつけたことから ドイツにおけるクリスマスツリーやオーナメントの由来とも言われている。

クリスマスツリーの習慣は、やがてドイツからの移民たちによって19世紀初頭にアメリカへ伝えられた。 イギリスでは1841年、ビクトリア女王の夫君であるアルバート公が、 ウィンザー宮でクリスマスツリーを飾り付けたのが始まりとされている。

ツリーには必ず常緑樹を使う。 強い生命力をもって一年中葉を茂らせる緑の姿は、神の永遠の愛や、イエス・キリストが与える永遠の命を象徴している。

クリスマスツリーの大きな星の飾りは、東方の博士(賢者)たちを幼子イエスへと導いた空に輝く星を象徴している。 この博士たちは、東方で不思議な星を見てそれが救い主の到来を告げるものであるということを悟り、 この星に導かれて遠くユダヤの地(現在のイスラエル)にある、 ベツレヘムという町にいた幼子イエスとその両親のもとへと辿り着くことができた。

イエスキリストは「世を照らす光」と呼ばれており、その象徴がキャンドル。 クリスマスツリーに使われていたキャンドルは、火事の元になることも多く大変危険で、各家の居間には水を張ったバケツが必ず置かれていた。 19世紀の終わり、アメリカの電話会社の職員が電話の交換機に使われる電球を見ていて、 クリスマスライト(イルミネーション)のアイディアを得たのが、日本でも使用されるクリスマスライトの始まり。 安全で手軽に使えることから、クリスマスライトはツリーに飾るキャンドルに代わって普及していった。

クリスマスカラーの緑と赤リース赤緑

緑は、もみの木やヒイラギのように枯れることのない常緑樹の色。 森や大地を意味し、永遠の命や神の永遠の愛を象徴。 クリスマスに使う緑色の飾りは、ツリーのもみの木やヒイラギ等。 そしてヒイラギの棘は、イエスが十字架につけられた時にかぶせられた茨(いばら)の冠の象徴。

赤は、イエス・キリストが十字架上で流した血の色を象徴しており、キリスト教では主イエス・キリストの栄光を意味する。 クリスマスに使う赤色の飾りは、リンゴ、ヒイラギの実、ポインセチア等。

緑と赤の2色で、神の子イエス・キリストがこの世・地上に人の子として生まれたことを意味している。 ヒイラギが聖なる木とされるのは、ヒイラギの棘は、イエスにかぶせられた茨(いばら)の冠を、 赤い実は、イエスの額の血を思い起こさせるため。 悪いものがこないようにとヒイラギのリースを玄関のドアに飾る。

白は、純潔を意味し、クリスマスに降る雪の色。

キャンディ・ケーン(杖の形をしたキャンディ)は 20世紀の初頭、アメリカのインディアナ州にいたキャンディ製造業者が、キリストを象徴するようなキャンディを作りたいと考えたのが始まり。 キャンディの硬さは、私たちの人生を堅く守ってくれる岩であるイエスと岩のように堅い信仰を表している。

聖書では、私たちは羊、イエスは羊飼いにたとえられているので、羊飼いの杖の形に作られた。 上下逆にして見るとアルファベットの「J」になり、イエス(Jesus)の頭文字になる。

当初は白いキャンディーだったが白地に4本の赤いストライプが入れられた。 3本は十字架につけられる前にローマの兵士に鞭打たれたときの傷を象徴し、 残りの太い1本はイエスが十字架で流した血を象徴している。 イエスは神が人類に与えた永遠の贈り物であるということを象徴して緑のストライプが入れられる物もある。

ポインセチアポインセチア

花のように見える赤い葉はキリストが処刑された際に流した血の色を、 緑色の葉の部分は永遠の命をそれぞれ象徴している。 北欧では、昔から「赤い色には魔よけの力がある」と信じられ ポインセチアは魔よけの花とされている。

この赤と緑の美しい花は、メキシコや中南米の花として知られており、 メキシコに住む信者達は、その花の形がクリスマスの星の形と似ているところから、 クリスマスになるとポインセチアを飾るようになった。

19世紀にメキシコ人でアメリカの大使として活躍したジョエル・ポインシェットが、この星の形をしたポインセチアを大変気に入り、 自分の故郷メキシコにその花を贈ったのをきっかけに世界中に知られるようになったと言われる。 この花はやがて彼の名前をとってポインセチアと名づけられ、クリスマスになるとあちこちで見られるようになった。

七面鳥、クリスマスケーキクリスマスケーキ

コロンブスがアメリカ大陸を発見してから、ヨーロッパ人が続々とアメリカへやってくるようになった。 慣れない土地では食用の豚を飼育するのが難しく、そこで彼らは野生の七面鳥を食べるようになった。

さらに1620年、ピューリタン(清教徒)達がメイフラワー号でアメリカに移住した後、 初めての収穫祭で貧しい開拓時代を支えてきた七面鳥に感謝の気持ちを込めて七面鳥を焼いて食べたことが始まり。 やがてヨーロッパにも伝わり、イベント時やクリスマスなどに七面鳥を食べるようになったといわれている。

■フランスのクリスマスケーキは、ビュッシュ・ド・ノエル。 フランス語でノエルが「クリスマス」、ビュッシュは「木、丸太」で「クリスマスの薪」の意。 薪(または木の切り株)の形をしており、「キリストの誕生を祝い、暖炉で夜通し薪を燃やした」ことに由来するとも言われる。 もともと北欧の古い宗教的慣習から続くものとの説もある。

■イギリス、アイルランド、カナダのクリスマスケーキは、クリスマスプディング(プラム・プディング)とダンディーケーキ。 自家製のプディングは、銀貨や指ヌキなどを入れて焼き、食べる時に見つけた人は幸せになれるという古い言い伝えがある。 味や食感は日本人が想像するカスタードプディングではなく、大きなパウンドケーキ。

ダンディーケーキは、イギリス・スコットランド地方のダンディーで生まれたフルーツケーキ。 オレンジの皮や特産のマーマレードが入り、上にアーモンドが飾られているのが特徴。

■ドイツのクリスマスケーキは、シュトレン(シュトーレン)、マルツィパン(マジパン)。 シュトレンは、ドイツの菓子パン。 生地にはドライフルーツやナッツが練りこまれていて、表面には砂糖がまぶされている。 ドイツでは、クリスマスを待つアドベントの間、少しずつスライスして食べる習慣がある。 発祥地は14世紀のドレスデンという町で、今でも12月の第1土曜日に巨大なシュトレンがパレードする祭りが行われる。 マルチパンは、ドイツのリューベック地方やシチリアのパレルモ地方の名物菓子。

砂糖とアーモンドを挽いて練りあわせた、餡のような食感のある菓子。

■イタリアのクリスマスケーキは、パネットーネ、パンドーロ。 パネットーネは、イタリアの伝統的な菓子パンの一つ。ミラノの銘菓。 クリスマスの前4週間(待降節)には親族や友人に配る習慣がある。 ゆっくり発酵させた生地の中に、レーズン、プラム、オレンジピールその他のドライフルーツを刻んだものを混ぜ込んで焼き上げた、 甘く柔らかなドーム型の菓子パン。パネットーネとは「大きなパン」の意味。

パンドーロは、イタリアのヴェローナの銘菓。 生地は軟らかく、玉子由来の黄金色で、バニラの香りがし、先端のない円錐形で星型にえぐれていて通常は8つの頂点がある。

クリスマスのプレゼント交換キャンドル

多くの説があるが、クリスマスプレゼントの起源として挙げられるのは、 古代ローマのサトゥルナリア祭のプレゼントを贈り交換しあった習慣にあるとも言われ、 同時代のサンタクロースの原型になったとされる聖ニコラウスの、貧しい人に施しを与えたとされる逸話も関連される。

他にはゲルマンのユール(収穫祭、冬至祭、Yule, Jul)での習慣説や、 北欧神話やゲルマン神話でオーディーンがトナカイに乗り家々にプレゼントを残していった説もある。

キリストが誕生した時、最初に訪問した羊飼い達は、羊をイエスにプレゼントし、 救世主を求めて東方から来た三人の賢者(賢人、博士)達が黄金や没薬、乳香を贈り物として携えてきた挿話からとも言われ、 当時、地域の習慣や風習を積極的に取り入れて広まったキリスト教に組み込まれたプレゼントの習慣とされ、 サンタクロースのプレゼントにも強く結びつきます。

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